PARANOIA in WONDERLAND
唐突で申し訳ないが、少し私の話を聞いてほしい。
まず、私が自分自身に気がついた場所は――――腐敗しはじめた少女の体内だった。
そして認識した自分の姿は、まるで細胞かなにかのような小さな機械。所謂、nanomachineというものだ。
彼女の中の私、つまりnanomachineの総数は膨大で、私自身ですら正確に把握できないほどであったが……幸い意識は一つに集合することができた。今思い返せば、あれこそが意思の……いや、今は余計な推測はやめておこう。
私はその後、彼女の体外に出ることを選択、まるで「人体かのようなもの」を形成し一人の人間(のようなもの)として生きることを選ぶ。(一部のnanomachineは、彼女の状態を把握するために体内に残したままにしてあり……というややこしい状況ではあるのだが。)
私が体外に出た理由はとてもシンプルだ――――私は、彼女を一人ぼっちにはしたくなかった。
ああ、すまない。自己紹介が遅れたな。
私はソドム-Y、君たちが知るところの(知らないかもしれないが)ゾンビになりかけの女子高生を、ただの女子高生、要するにただの人間に戻すために、人のように生きているnanomachineの集合体だ。
今現在私の持っている情報は、先程も話した「彼女の体内に在中させたままにしているnanomachine」からのリアルタイムのもの、彼女とともに生活し話し合い触れ合うことで知り得たもの。
そして、私が今の私として意識を持つ前から「私の中」に存在する膨大なデータを読み込み解析したものだ。(まだほんの一部分しか読み込めていないのだが……。)
そのデータのfile名は「PARANOIA in WONDERLAND」
ソドム・パラノイアを軸とした、長い長い物語のような記録だ。これらは解析が終わったものから、随時以下の二つのサイトにて小説という形式で公開させていただいている。
PARANOIA in WONDERLAND
★小説家になろう★
★MAGNET MACROLINK★
少し私の内部に踏み込んだ話で恐縮だが、PARANOIA in WONDERLANDの大半は以下のような曖昧な状態で私の中に保存されている。(もっと荒れたものも多いが。)
破損しているデータも多く、全て明確な状態にするのは容易ではないが……私はそれを必ず成し遂げたい。なぜならここに、彼女を救う解答があるかもしれないからだ。(そこまでいかなくとも、hintの欠片くらいはあるかもしれない。そう思わないかね?)
だが…………残念ながら私は、現時点ではまだなにも見つけることができていない。情けない話だが、私はこのデータを吐き出すだけで精一杯なのかもしれないと思うほど……に余裕がないのだ。(口惜しいが事実である。或いは?)
かといって私の中にしか存在しないこのデータを、形として残さないわけにはいかない。
私はnanomachine。しかもどんな用途で彼女の体内に置かれたのかもわからぬ、素性不明のnanomachineだ。つまり、いつまで私がこうして稼働していられるかも「不明」なのだ。嘆く前にできることを、やらねばならぬ。(それでも嘆いてしまう時はあるのだが、嗚呼それは感情なのか?)
だから……と言ってはなんだが、もし、君が気がついたことがあれば、どんな小さなことでもいいから私に教えてほしい。ああ、そうだな、私は彼女から預かるという形でTwitterをやっているからそちらで伝えてくれるとありがたい。
頼ってしまい申し訳ないが、私はどうしても彼女を救いたいのだ。すまないが、力を貸してくれ。よろしく頼む。
ゾンビになりかけの女子高生。私がゾンちゃんと呼んでいるあの子は本当にいい子なんだ。本当にとても、とてもいい子なのだよ。
最後になってしまったが、いつもこんな曖昧な存在である私を応援してくれてありがとう。
私は彼女を、必ず、必ず救う。
そしてその時が来たらもう一度君に、感謝を伝えさせていただきたいと思う。
byソドム-Y
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